施術者さんの「施術(実技)」について知っておいて頂きたいこと

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鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師は3年間の養成過程を経て、国家試験に望みます。この国家試験をパスして晴れて国家資格を保有する資格者となる訳ですが、はり師きゅう師あん摩マッサージ指圧師の国家試験はマークシートのみで、実技試験は実施されません。実技試験は各学校で実施され、実技試験を合格できなければ単位を取得することはできません。単位が取得できないということは、当然国家試験をうけることができないということになります。ですので、国家資格をもつ施術者さんは、各養成学校での実技試験に合格しています。今回は、施術者さんの「施術(実技)」について知っておいて頂きたい点をお伝えしていきます。

教えられている実技は養成学校によって違う

現状のはり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の養成校における実技、および実技試験の基準は、各学校によって違います。カリキュラムはありますが、実技内容、また担当教員によっても、学生に教える内容が違っていたりします。養成学校の先生方は、学生からみると資格をもった「先輩」でもあります。その熟練した技術を学ぶ機会もあります。教員の経験の差や、意識の差、教え方の差などでも、実技の違いができてきます。また私たちが訪問でみる80代、90代といった、現代社会における高齢者の施術を、学校で習得するというのは難しいかもしれません。

柔軟性のある施術ができることが大事

基礎技術を教わり、座学で学んだことを応用して現場での施術を実施する。という施術者さんと、徹底してハウツーを学んでそれを現場で実施する。という施術者さんがいるように思います。当然どちらも長所短所はあります。訪問現場では、イレギュラーなことが多く、臨機応変の対応が求められます。その時に、柔軟に対応できるかが、訪問マッサージのポイントであったりします。どちらのタイプの先生が良い、ということはないですが、こだわりが強すぎて患者様のご要望を聞けない。応用できず、現場でどうしていいかわからなくなってしまう。という施術者さんは、訪問マッサージには向かないこともあります。患者様お一人お一人に合わせた対応ができる施術者さんは、患者様からも、関係者さまからも人気が高く、実績も上がっていますし、継続的にご紹介をいただけます。

必ずしも経験年数の長いベテランが良いとは限らない

鍼灸、マッサージ、と聞くと『経験がものを言う』といった印象を持つ方もいるかもしれません。実際に経験が生きることは、現場では多々あります。ただし、訪問マッサージにおいては、この「経験」だけではうまくいきません。そのときその時の施術をしっかりと考え、準備して、患者様のご様子をお伺いしながら施術を進めていくことが重要であるために、この点において、新卒の施術者さんや、経験が少ない先生は一生懸命に取り組みます。患者様にとって、自分のことを必死に考える人がいるというのは、とても嬉しいことです。ベテランでも、こうしたことをキチっとされている施術者さんもいます。ですので、経験年数より、こうした毎回の準備や、患者様と向き合う姿勢が重要になります。

技術も大事。だけどその前に・・・

施術者さんの技術はとても大事です。提供するものは鍼灸やマッサージかもしれません。ですが、「訪問マッサージ」では、技術の前に、その技術を提供する「人」をみられます。つまり「施術者さん」を、患者様、関係者様はみています。技術が高くても、挨拶ができない。経験はあるけど、連携ができない。といったケースもあります。施術者さんの技術に目が行きがちですが、技術は経験と共についてきます。前途した通り、国家資格者は、少なくとも養成過程で最低限の実技は身につけており、実技試験にも合格しています。技術力の高い施術者を採用したいのは、どのオーナー様も思っていることだと思います。しかし、現状の技術力だけで評価すると、未来のスターを見逃してしまうこともあります。是非こうした点を、人材採用時にはご考慮いただければとおもいます。

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