店舗型治療院と、訪問治療院の違い
世間には多くの鍼灸院、マッサージ院、整骨院、などがみられ、登録数はコンビニよりも多いのが現状です。皆様も街中をあるくと、これらの院の看板を目にすることがあるのではないでしょうか。
このなかでも、鍼灸院と、マッサージ院は「出張専業」といって、訪問専門(ご自宅での施術を専門で行う)治療院があります。路面店のように看板を出していることはほとんどありません。逆に言えば、大々的な看板を出す必要がないとも言えます。
一番わかりやすいのは『場所』です。そして場所が変われば、鍼灸治療を行う『環境』が変わります。例えば治療院だと治療ベッドがあるかもしれませんが、訪問では患者様のご自宅のベッドや、介護ベッド、お布団など個々の状況で環境が変わります。
そして場所が違うということは、施術者は施術を行う場所へ出向く、ということになります。つまり『移動』があるということです。移動は、施術者にとって、長所でもあり、短所でもあります。外の空気に触れられることで、リフレッシュできるので快適ですし、休憩時間にカフェに行ったり、気になるショップを覗いてみることもできます。しかし雨でも風でも関係なく患者様のご自宅に訪問し、暑さ寒さも感じます。
もうひとつ、店舗型治療院とことなる点があります。
それが他職種、多職種との『連携』です。ドクターや看護師、リハビリスタッフなどの医療関係者
や、ケアマネージャーやヘルパーなどの介護職の方と情報共有を行うなど、周囲のサービス提供者と手を取り、お互い協力して、患者様がご自宅で快適にお過ごしになれるようにお手伝いをしていきます。加えて、ご家族様や地域の方のご理解も頂き患者様の治療を進めていきます。
店舗治療が患者様との1対1で完結するのに対して、訪問治療では患者様の周囲にいる方と連携をする必要がでてきます。
連携というと『難しそう』と思う方もいるかもしれませんが、患者様のご様子をお伝えしたり、相手の役割と自分の役割を認識することが基本となります。加えて連携することは、相談できる相手や協力できる仲間がいるということです。この視点をオーナー様や現場の施術者様が持つことが、「訪問専門治療院」成功の鍵とも言えます。
施術スタッフは「治療ができる」だけではなく「周囲の人とコミュニケーションをとることができる」必要がありますので、施術スタッフ採用の際は、これらを意識して面接を進めて行く必要があります。