施術者さんの業務は「施術」だけでいいのか
施術者さんが勘違いしやすいことであげられるのは、『訪問マッサージ』の『施術だけ』すれば良い、という視点です。こころ治療院グループに限らず、治療院様それぞれにおいて、様々な業務分担があり、それぞれの担当者がいる場合もあります。その中で、施術者さんは『施術』を行うのが役割であることは間違いありません。しかし、訪問マッサージで人気があり、売り上げが多く、新規のご紹介の多い施術者さんは、施術に関連したことを実施しています。これを無意識的にできる人もいれば、意識して行っている人もいます。いずれにせよ、関連した事項ができる施術者さんが「訪問マッサージ」のフィールドで活躍することは間違いありません。
では、こうした先生は、どうしたところに意識しているのでしょうか。
積極的に『報告・連絡・相談』をする意識
施術者さんは学校にて、1対1の対応を学びます。そのせいか、対患者様とのやりとりで完結させてしまう施術者さんが多く、外部に対して連携意識が薄く、かつ報告や連絡、そして相談をしないことが多くあります。これをオーナー様やマネージャー様、その担当者様がサポートして実施している治療院もあると思いますが、現場で接している最前線の施術者の情報が関係者に入らないということで、ご不満につながることがあります。逆に現場の施術者さんの声が届けば、満足度は上がります。仮に施術者さん以外の人がメッセンジャーとなるとすると、このメッセンジャー役の人物との報告・連絡・相談が密にできていることが重要なポイントです。何れにせよ、現場の様子や、対応、そして患者様のご様子や感情が、関係者様に伝わることが『訪問マッサージ』ではとても重要です。これができる施術者さんの採用が、訪問事業成功の鍵になるかもしれません。
お金を頂いている、保険請求を行っている意識
施術者さんは、実際の施術を行っているわけですが、料金や、保険請求に関しては無関心な人が多くいます。自分自身のやっているサービスの料金、また自分の名前で出している療養費の請求です。ここに責任を持って対応している施術者さんは、プロ意識が強く、施術だけでなく、対応の評価も高く、信頼度も自然に上がっていく傾向にあります。人に尽くす気持ちが強い施術者さんがほとんどなので、優しく、誠実な対応をされるのですが、やはり『仕事』の意識が強い施術者さんは、優しさや、誠実さのなかに、プロとしての自覚をもち、きっちりと現場業務をおこなっってきます。また、お金や請求を常に意識していると、患者様やご紹介頂いた関係者様への感謝の気持ちをもっていますので、そうした面が現場での、業務姿勢や施術時の態度に出て来ます。こうしたところも患者様・ご家族様・関係者様は敏感に感じ取っています。
視線に気づける意識
施術者さんは『治療を行うこと』にフォーカスしがちで、自分が提供することがメインになります。つまり自分主導、自分視点が強く、相手や周囲から向けられる視線や、要求に気付きにくい状態になっていることがあります。この部分を忘れず、常に意識できる施術者さんは、満足度が非常に高くなります。特に『訪問マッサージ』はご自宅でのサービス提供となります。患者様だけでなく、ご家族の視線が常に向けられていることを理解しなくてはいけません。また医療や介護のスタッフが関わっている患者様がほとんどですので、そうした関係者様からの視線と要求も感じていなくてはいけません。相手がどういうところを見ていて、何を要求しているのか。こうした点に自然と気づける施術者さんは、現場での評価は非常に高いものになります。
面接で必ず確認した方が良い点
求職者との面接の際に、『施術』だけでなく、施術に関することや、周囲の方との連携、コミュニケーションなど、多くの関わりがあることをお伝えした上で、合否を決定していただければと思います。オーナー様、マネージャー様は、サポートはできたとしても、施術に関連することは専門外です。周囲の方は、関係者様は、普段患者様のご様子をみている施術者さんがどんな視点を持っているのか、なにを実施しているのか、その時の患者様のご様子は…といったことを気にされています。ここが不明確になったり、情報伝達ができなかったりすると、信頼関係を構築することができません。ご紹介でサービス利用が開始され、多くの関係者様と関わりながらサービス継続していく「訪問マッサージ」においては、施術者さんがいかに柔軟な姿勢で、ご自身の施術を、周囲と連携を取りながら、その影響を考えて業務を行えるかがポイントになります。
「施術」だけ(マッサージだけ)やればいいんだ。と思っている求職者も多くいますので、「訪問マッサージ」のフィールドで活躍できる人材を採用するためにも、こうした視点を持って面接を実施してください。